« 2010年08月 | メイン | 2010年10月 »

2010年09月 アーカイブ

階層なき学歴社会 5

女性個人にとって、また社会にとって、高等教育は得なのでしょうか。


答はイエスであり、またノーです。


それはなぜなのでしょうか。


否定的な意見は、女子の大学卒業者の就職率の低さ、あるいは勤続年数の短さによって、女性の高等教育は社会にとっても本人にとっても経済的効果は低いという判断に基づきます。


昭和30年代であったと思いますが、まだ今日ほど女性の進学率が高くない頃に、早大の教授によって「女子学生亡国論」が唱えられました。


その内容は大学、特に文学部の学生の間に女子の比率が高まり、大学が花嫁学校化して、学問の後継者も得られない点を嘆いたものでした。


実際、大卒女子の就職率(1979年)は62・9%で、男子のそれを14・1%下回っています。


さらに、大卒者の平均勤続年数(79年)は女子4・4年、男子8・8年です。


学歴別の生涯所得の差をみようとしたのですが、男子労働者についての計算例はあっても、女子労働者については"生涯賃金"を学歴別に計算したものはありませんでした。

階層なき学歴社会 6

学歴、年齢、勤続年数を一定にした所定内給与を比較してみると、男女格差は大卒で、しかも勤続年数の長い層で最も大きいです。


中卒でも高卒でも勤続年数が長くなるほど男女格差が大きくなっていきますが、その度合は大卒が最も大きいのです。


その理由は、男子大卒者が高卒以下のグループより役職につく割合が大きいからでしょうが、女子は大卒といえども役職についている割合が低いのです。


だから、年齢が進むほど男女格差が大きくなります。


女子にとって高い教育は個人の共用や趣味を高めるだけで、個人にとっても社会にとっても、経済的にはなんの役にも立っていないのでしょうか。


そうとはいいきれません。


たとえば、高等教育修了者の職業をみると、女子の場合は半分近くが専門的技術的職業についています。


その内訳をみると教職が多いのではありますが、いちおう大学教育の成果を職務遂行に生かせる職業についているのです。

About

2010年09月にブログ「いつか行ってみたいモロッコの雑貨」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2010年08月です。

次のアーカイブは2010年10月です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。

管理人のお気に入り