階層なき学歴社会 5
女性個人にとって、また社会にとって、高等教育は得なのでしょうか。
答はイエスであり、またノーです。
それはなぜなのでしょうか。
否定的な意見は、女子の大学卒業者の就職率の低さ、あるいは勤続年数の短さによって、女性の高等教育は社会にとっても本人にとっても経済的効果は低いという判断に基づきます。
昭和30年代であったと思いますが、まだ今日ほど女性の進学率が高くない頃に、早大の教授によって「女子学生亡国論」が唱えられました。
その内容は大学、特に文学部の学生の間に女子の比率が高まり、大学が花嫁学校化して、学問の後継者も得られない点を嘆いたものでした。
実際、大卒女子の就職率(1979年)は62・9%で、男子のそれを14・1%下回っています。
さらに、大卒者の平均勤続年数(79年)は女子4・4年、男子8・8年です。
学歴別の生涯所得の差をみようとしたのですが、男子労働者についての計算例はあっても、女子労働者については"生涯賃金"を学歴別に計算したものはありませんでした。