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2010年08月 アーカイブ

階層なき学歴社会 3

アメリカの社会は実力主義、メリットクラシーの社会だといわれます。


しかし、これは学歴が意味を持たないということではありません。


逆に日本以上に学歴が重要な社会だということは、ベッカーの説でもうかがわれます。


たとえば日本では、大卒男子は一流大卒も三流大卒も、同じ会社の新入社員なら全員同じ給料です。


しかし、アメリカなどでは、ハーバードのような一流大学卒業者と地方の州立大学などの卒業者は初任給から違います。


時には、同じ学校卒業者でも成績によって異るのです。


これは日本と違って、定期採用をしない会社が多く、あるポストにつく能力のある人をそのつど採用するためでもありますが。


日本は逆に、大学さえ出ていれば同じ資格です。


一流大学卒が昇進に有利とはいわれても、少なくともはじめは特別扱いはされません。


まったく同じ初任給でスタートするのが普通ですが、アメリカでは卒業した大学や学部によって初任給が異るのです。

階層なき学歴社会 4

また、いったん企業で働いた後でも、大学院で修士号や博士号を獲得すればより高い報酬のポストに移れます。


(日本の企業や官庁からアメリカの大学院へ派遣された留学生は、しばしば「学位を得て帰ったらどれだけ地位や収入があがるか」という質問に悩まされるそうです)。


日本では企業内訓練や教育の方が大学教育や大学院教育より実用性が高いためもありますが、大学や大学院への再入学はそれほど高く評価されません。


はっきりいえば、大学や大学院はあまり世の中の役に立たないことをしていると考えられています。


それならどうして、多くの人びとが大学をめざし、また企業や役所も大学卒業者を大量に採用するのでしょうか。


アメリカとは違った尺度で、日本の大学が企業に対して果している役割をみる必要があります。


日本の大学が社会で果している役割は、入学させた学生をどのようにして教育し、知識を与えたかという点より、入学試験において受験生をふりわけ、選別する機能であるといわれます。


長い間受験勉強に耐え、努力をいとわない強い意志力をもっているかどうか、受験勉強のような無意味な努力に耐える忍耐力があったかどうか、それを可能とする知的能力があったかどうか、という点を企業は重視します。


だから、ある程度の水準以上であれば、学校の成績が特別よいより、運動部で活躍したとか、クラブ活動のリーダーであったとかいう方が歓迎されるくらいです。


終身雇用制の日本の会社では"ヘンな人"を採用しても解雇は難しいので(内定取消しさえできない判例が出ました)、採用にあたっての選別には慎重なのです。

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