階層なき学歴社会 2
戦後、学制が改革され、専門学校や実業学校などの袋小路の学校がなくなり、大学までのルートが大きく開かれるとともに、駅弁大学といわれたほど大学の数も増加し、大学生も増加の一途をたどりました。
高い技術、あるいはそれを学びうる基礎的教養を身につけた人材が多くなったことは、わが国の経済成長の有力な要因とされます。
そして、社会にとって教育が有効に働いたと同じように、個人にとっても教育は決して損にはなりませんでした。
教育を受けた人は、企業でも役所でも幹部候補生として重要なポストにつき、高い賃金を得ました。
人的資本仮説によると日本に限らず、世界のほとんどの国で、高い学歴をもつ労働者は高い賃金を得ています。
この現象を説明するために、シュルツやベッカーというアメリカの経済学者たちは人的資本仮説というものを唱えています。
この説によれば、教育や訓練を受けた労働者は単なる労働力ではなく「人的資本」とみなされます。
その骨子となる考えは、
1.教育に対する投資は労働者の生産性を高める
2.賃金所得は労働者の生産性によってきまる
という2つです。
すぐに就職しないで大学へ進学するのは、資金を将来のために使うということだから一種の投資とみなされます。
教育投資に対して、どれほどの収益があるのか。
ベッカーは、アメリカにおいて、12%強と推計しています。
定期預金よりも、株や債権を買うよりも、教育への"投資"は得なのです。